遠い雷

「遠い雷」

九月の雨は音もなく
きみの呪文を合図に降りはじめる
きみが連れてきたあの遠い雷
ふたりを照らした カメラのように

きみの写真をたくさん撮った
きみの写真ばかりを眺めていた
よく笑ってた頃のきみのこと
手をつないでた頃のきみのこと

散らかったきみの部屋
ぼくはもう片付けないよ
合鍵に祈りを込めて
幸せにならなくちゃ

本当に悲しくても
言葉にできなかった言葉を
今こうやって歌にしたって
やっぱり言葉にできない

いつかの七月 旅帰り
布団の中のきみは猫のようだ
ゲームは止めな 目が悪くなるよ
ふたりを照らした 朝の光

ぼくの写真は残ってるかい?
すぐにでも燃やして 空に投げて
ずっと笑わせたくて きみのこと
今も笑わせたくて きみのこと

散らかったきみの部屋
片付けないと寝れないよ
最後に見た東京タワー
4階からの風景
幸せにならなくちゃ

さよならに似ているけど
すこしそれとは違うさよならを
今こうやって歌にしたって
やっぱりさよならなんてできない

本当に嬉しくても
歌にしかできなかった
またこうやって歌にしたら
いつか伝わるかな

やっぱり言葉にできない