2014.10.23

大阪城ホールで歌うのが夢だった。
外にある野音ではなくて、大阪城ホール
しかも、その日は満員じゃなきゃいけなくて、俺たちは最高のライブをしなきゃいけない。
それが俺の夢だった。

夢って自ら思い描いたものと、誰かに託されたもののふたつがあるんです。
大阪城ホールで歌うのは、後者。
託された夢。

宿代がないから、いつも緑橋のマンションに泊まらせてもらってた。
駅から本当にすぐそばで、オリジン弁当やローソンやサンクス。
戦国大統領っていうやばい名前のライブハウスも近くにあった。

「いつも悪いね。」と言うと「大阪城ホールで歌う時には超いい席とっといてや。それでええよ。うちんちに泊まってたバンドが大阪城ホールで歌う姿見るのが夢やねん。」と言っていた。

「そういえば大阪城ホールってどこにあるの?」
「こっから歩いて10分。近いやろ?てか近いから大阪城ホールで見たいねん。」
「そしたらその日はまたここに泊まりくるね。」
「その時はもっとええホテル泊まってるやろ。外も出れんくらい人気やで。無理せんでええよ。」

俺はずっとそこにとどまっていたかったよ。
風呂場で髪の毛、金髪にしてたかったよ。
十三のたこ焼き屋の前で誕生日祝って、チェキ撮って、うちの新メンバーとももっと仲良くなったら笑えることたくさんあったんだけど。

俺たちのライブに期待してくれてるんだなーっていつも肌に感じてた。
やれんのか?って顔、覚えてる。
その顔に「どうだ!」って歌うのが大好きだった。

こないだの見な放題も、7月の見放題もトップバッター似合ってたでしょ?
気づいたらイベントのトリを任されること増えたけど、トップバッターまだまだやれるよ。

もっと歌いたかったよ。
全然褒めてくれないから、いつか褒めてもらいたかったよ。
俺が自由にのびのびと歌をうたえるのも「金田康平ここにあり!ってライブ見せてや。」って言ってくれたからなんだよ。

もっと歌いたい。
もっともっと歌いたい。
もっともっともっと歌いたい。
いつか褒めて欲しい。

大阪城ホールなんて、何万人のお客さんなんて、その日ばかりはどうでもいいよ。
ただライブ終わったら、泊まらせてよ。

いつだって、俺の話す夢を馬鹿にしないで聞いてくれてありがとう。