きみに関するほとんどすべて

10/18
自分の中で「もう冬。無理。」と認定したため、ライダースを引っ張り出した。
この歳になってやっとこさシングルが似合うようになってきた気がする。
もうちょっと若い頃はシングルはおっさんくさいから、革ジャンはやっぱダブルだろ!って思ってたけど。
まあまあ歳をとるのも悪くないなと思う。


この日は下北沢美術館という新進気鋭の芸術家集団が主催した「下北沢でこんなタコパがあるなんて〜金田康平編」という面白い趣旨の企画で歌った。

まずタコパって言葉自体を知らなかったんだけど、ようはたこ焼きをみんなでつまんで呑む会ってことだ。

お客さんとは普段ライブ会場の物販でちょっと話す程度だし、個人的にはステージの下では俺なんてよっぽど面白くもなんともないと思っているので、果たしてみんな楽しんでくれるだろうかと心配していたが、多いに楽しんでもらえたようで本当に良かった。

人と話すことはものすごく体力がいるし、ほぼ初対面の人たちならより一層心も摩耗するけれど、みんなが俺のことなんて忘れてワイワイガヤガヤと話してる瞬間が何度か訪れた時にやって良かったなあ〜と思った。
何年か前に同じような趣旨のDJイベントをやったことがあったのだが、その時と同じ感覚。
俺達の歌を介して、赤の他人同士が同志になれる。
それにやっぱり感動して、震える。


来てくれて、本当にありがとう。
下北沢美術館のふたりも、呼んでくれてありがとう。
この街に音楽で関われることが、俺はとても幸せです。


10/19
宇都宮ヘブンズロックにて、カラーボトル10周年記念ツアーで歌った。
ほぼ90%の人が俺達を初見だったように(ステージから見てなんとなく)思うけど、あんなに歌ってはしゃいで、時にぎゅっとうつむいて、噛みしめるように歌を聴いてくれるなんて凄いなあ。と思った。

竹森くんは俺にとってブラザーだ。
みんな熱い!と言うけど、彼はもっと静かに青白く燃えている。
俺はそこんとこが似てるな、と思う。
どうせ誰にもわかってもらえないだろう。

カラーボトル10周年おめでとう。
続きます。俺たちも。

K.K


【今日の新曲】

「きみに関するほとんどすべて」

きみの頭がこんがらがっている
なにも考えられずに
それなのに悩んでる
けれど大丈夫 それは頭だから

きみの体が疲れ切っている
なにも手につかない
でも始めたがってる
けれど大丈夫 それは体だから

痺れきってる
麻痺しきってる
でもきみは大丈夫
頭と体をノコギリで切り取って
残ったもの
それがきみだろう

きみの友達が倒れて死んだという
自慢のギターも弾けない
きみは泣いて伏せている
けれど大丈夫 それは友達だから

きみの才能と財布に入る金が
釣り合わないことに
きみは悔しがっている
けれど大丈夫 才能とお金だから

歯を食いしばってる
枯渇し切ってる
でもきみは大丈夫
友達/才能/お金以外のすべてが
きみそのものだよ

痺れきってる
麻痺しきってる
でもきみは大丈夫
頭と体をノコギリで切り取って
残ったもの
それがきみだろう