今のきみは前よりかわいい

やなせたかしさんが亡くなった。
アンパンマンの作者であり、作詞家でもあった彼の言葉が小さい頃から、もちろん今の今までもずっと好きだった。
アンパンマンのアニメ主題歌はもちろん、「手のひらを太陽に」も彼の書いた詞。

彼は「分け合うやさしさ」や誰かのために、身を焦がす」ということを描いていたように思う。
それは「きれいごと」と言われる類のものなのかもしれない。
それだけではどうしても生きていけないことなのかもしれない。
けれど、そのきれいごとは、やはり誰も真似できないほど、きれいだった。

アンパンマンのマーチという歌が、特に好きだった。
この歌はテレビアニメのオープニングでは何故か、冒頭から二番の歌詞が使われていた。
なにかの規制があったのか、はたまた作者自身の意図なのかはわからないのですが、子供達に大人から教え、伝えていっていかなきゃならないことは一番の歌詞だったように俺は思う。

ぼくは大学四年の夏まで、保育士になろうと思っていて、教育実習にも何回か行った。
そのたびに、毎朝ぼくは子供達とアンパンマンのマーチの一番を教えて、歌った。

「なんのために生まれて なんのために生きるのか こたえられないなんて そんなのはいやだ」

大人になった今でも、なんのためだなんてわからない。
けれど、やなせたかしは誰かのために生きる道があることを知っていたし、それを何万人もの子供達に伝えることができた。
それは凄絶で、強靭な魂がないと成せない人生だ。
合掌。


10/16@club QUE
19周年イベントに出演。
最近、周年イベントで歌うことが多くて、嬉しい。
誰かが亡くなった日には、その悲しみを悲しみたらしめる笑顔が不可欠だ。

二年半ぶりに見たにたないけんの歌は相変わらずとても素敵だった。
どしゃぶり、ずぶぬれ、どろんこの歌。


野生の狼みたいな目つきを取り戻したな。とYDOに言われた。
本当にそうだとしても、それは喜ばしいことなのかどうかはわからない。
けど、俺はちょうど野生の狼みたいな目つきに帰ろうと思う今日この頃だった。


劇団ロ字ック本公演用主題歌のレコーディング。
今までTHEラブ人間では歌わなかった類の歌が書けた。
脚本を読んで歌詞、曲と書いたので、まず根本から違う。
自分の内面から出てくる100%ではなく、誰かの100%を100%自分のものにする作業。
とても、新鮮だった。
本公演の期間、我々THEラブ人間も出演します。


11月の下北沢にて6会場のみで限定発売する、THEラブ人間の新譜。
遂にミックスダウンが本日終了した。
そろそろタイトルや収録曲も発表できる予定だ。
今回はレコーディングの体制が以前と少し変わったが、「SONGS」と同じくミックスは池内亮氏。
前回アレンジャーとして参加してくれた鈴木秋則氏は今回アレンジャーだけに留まらず、物凄くたくさんのことに関わりまくってくれた。

11月のライブ会場でしか買えない、ってこともっとみんなに伝わって欲しい。
手に入らなかったら、辛いよ、きっと。
売れろ売れろ売れろ。

K.K



【今日の新曲】

「今のきみは前よりかわいい」

「誰にも心なんて見せてやらない」って
ぼやいてたきみがまさか恋人になるなんて

「わたし自由でいたいから結婚はちょっと」って
ぼやいてたきみがまさか奥さんになるなんて

心なんて捨ててしまえよ
自由になりたいのならば
荷物は少ない方がいいから
とりあえず心はぼくがあずかろう

「生まれたこと自体が失敗だった」って
ぼやいてたきみがまさか母親になるなんて

死のうとしてる暇があるなら
ラクな生き方探してみなよ
今のきみは前よりかわいい
とりあえず命はぼくがあずかろう

きみもいつか服を選ばなくなって
一番安い白髪染めを選ぶだろう
絶望した分だけシワは深く刻まれる
その谷底の深さにほんとうを知るのだろう

心なんて捨ててしまえよ
自由になりたいのならば
荷物は少ない方がいいから
とりあえず心はぼくがあずかろう

今のきみは前よりかわいい
今のきみは若いころより
今のきみはとってもかわいい
今のきみが1番かわいい