月をあつめて

二年ぶりに松山サロンキティでライブをしました。
イナズマ戦隊、風味堂と二日連チャンの初日。
来てくれたあなたに感謝しています。

二年前はまだ全国盤を出して一、二ヶ月経ったか経たないかって時期で、全国的に見てもほんとのほんとにはじめましてといった時期だった。
その頃の情熱は今どれほど残っているのだろうか。
きっとかけらも無いだろう。
その代わり、別の種類の情熱は確かにそこにある。
真っ赤だった炎は、青白く静かに燃えている。
音もなく忍び寄り、首根っこを捕まえる。

今回の四国の旅はまさに自分との戦い。
その為に、俺はあなたと話さなくちゃいけない。
ステージの上と下で分かれてはいるものの、対話はできるだろ。
多くの中のひとりのあなたと、五人の中のひとりの俺ではなく。
ひとりとひとり、としてタイマンで話したいのだ。
分かってくれるかな?
時間ないから〜。なんて言うなよな。


松山は夏目漱石の名作「ぼっちゃん」の舞台であり、漱石が中学校の先生として過ごした街でもあります。
何度となく読んだ、あの本の舞台かと思うとワクワクしてしまいます。

駅前や県庁前はほどよく整理されたものの、川沿いや城跡は風情が残っていてとても美しかった。
空を見上げると月が街を照らしていて、あの人に送ったメールになんであんな恥ずかしいこと書いてしまったのか、と後悔した。

漱石は「I LOVE YOU」を「月が綺麗ですよ」と訳したようだ。
きみがいないと、綺麗でもなんでもないんだけどね。
あんな惑星。

K.K


「月をあつめて」

ネオンの街は悲しみをつくり笑顔で
雑踏の中に隠そうとしてる
心の迷路 出口を探し歩けど
面影はいつも 灯りにはならない

いつだって新しい自分と
その隣の空白を求めてる

星のあかりじゃ足りなくて
月をあつめ きみのもとへ
きっとまだ間に合うだろう
夜に虹をかけよう

サンダルを履いて 珈琲を買いにそこまで
いつかの夢を思い出したりする
すでに失くしてしまった 何個かの俺を
きみは笑うかい?きっと笑うだろう

いつまでも特別なきみが
また隣で笑っていてほしい

明日のことが知りたくて
無理な話で悪いけど
たったひとつしかない月を
あつめてきみにあげる

星のあかりじゃ足りなくて
月をあつめ きみのもとへ
きっとまだ間に合うだろう
夜に虹をかけよう

1,10,100
幾千の月をあつめてきみにあげる