記憶の色はいつもブルー


「記憶の色はいつもブルー」

排気ガスの香りが行き交う昼過ぎに
海辺まで歩くのさ
少し遅いステップで

きみに打ち明けたのは
きみに悪いからじゃなく
めんどくさくなっただけ
全部捨てたよ

光るテールランプ
二重に見える季節
あの日きみが着てたのは
ワンピースだっけ?
コートだっけ?

ぼくらはテトラポットに座り込んで
遠くを見ていただけさ
ぼくらのことを
ぼくら見て見ぬフリをしてた

久しぶりに街に出て
空をそっと仰げば
なにかがひとつになる時が
訪れた気がした

光る記憶の砂
何層にも重なってく
あの日キスをしたのは
あのコだっけ?
誰かだっけ?

ぼくらはバスの中で手を繋いだりして
温度を感じただけさ
気持ちなんて
ぼくら見て見ぬフリをしてた

ぼくらは見て見ぬフリをしてた

青い記憶の果て
人はいつだって
理由もない涙に驚いたりして
少し変われるのさ
少し変われるのさ
少し自分を好きになれるのさ

ぼくらはテトラポットに座り込んで
遠くを見ていただけさ
ぼくらのこと

ぼくらは今になって恋の味を知る
さあ見ろ
そこに意味も理由もないさ

ぼくら記憶と共に生きよう
ぼくら記憶の果てに生きよう