お前と割れたスピーカー

5/5

アンプを買う。
ここまでに14年もかかってしまった。
うれしい。


5/9

高崎club FLEEZ ajileにてソロライブ。
高崎でのはじめてのソロライブ。
これも14年もかかってしまった。

バンドをはじめた頃のこと、何度も思い出したし。
バンドをやめていったあいつのこともたくさん思い出した。

バンドをやることとは別に歌ってものは四季だから、何度も去って、また何度も訪れる。
やめることなんて、本当はできないのだ。

【セットリスト】
1・バンドをやめた友達
2・砂男
3・なつみちゃん
4・犬の人生
5・大人と子供(真冬のテーマ)
6・体は冷たく、心臓は燃えている


5/10

ツアー前乗りのため、東京を発つ。
アンプがあるため、車はパンパン。

なんとまあ今回のターム二本の往復で、確実に走行距離が30万kmを超えることがわかった。
地球何週分走ってるんだろうか、うちのバンド車は。

今回のツアーはコンセプトうんぬんの前に、自分たちがライブバンドだということを再確認、再構築するためのツアーだ。
見せつけてやるから、見せつけてくれ。

赤塚PAで豚骨ラーメン。
ここのPAはもはやそこらへんの行列のできるラーメン屋の万倍はうまい。
ツアーの醍醐味は飯だったりもする。


岡山のホテルに到着し、ラーメン山富士へ。
ここは相当オススメだと聞いていたので、真夜中だったが食す。
昔懐かしい醤油ラーメンは正義だ。
気合のおぼっちゃまくんTシャツ。


5/11

ツアー初日@広島BACK BEAT。
気合の尾崎豊Tシャツで向かう。

リハーサル後には荒谷で天丼。

ここの店は「SONGS」特設サイト内企画【泣きながら食べれる飯はあるかい?】でツネが紹介したお店。
The EnidやEL&Pクラウス・シュルツを聴いている時に訪れる、あの興奮の中の静寂。
それがこの天丼にはある。
俺には本気でこんな事を考えながら食べてしまう飯が時々ある。
たまらない。最高だ。

今回のツアー、頭2日間はDirty Old Menのツアーと共催で行われる。
両日ともD.W.ニコルズを交えたスリーマンってことで、まさに三者三様。
こんなジャンルレスで、はなっからみたらなんの共通項もないような夜は最も好きな夜だ。

今回は40分の短めのセットを組んでいたので、コンパクトにまとめてドカン!といった感じでした。
ツネの地元ということもあるけど、もう俺たちはこの街を勝手にホームタウンだと思ってるから。
また素敵な夜を一緒に作れたらいいな。

打ち上げではニコルズけんちゃんに極意を聞く。
スタジオで試そう。

お好み焼き打ち上げを終え、岡山のホテルへ。
深夜三時にケンジと家系ラーメン濱屋へ。(写真がないことを残念に思うよ。)
そんで気づいた頃には寝る。

塩分まみれの広島の夜。


5/12

ツアー二日目@岡山CRAZY MAMA 2nd Room。
気合のジェームスディーンTシャツで臨みます。

リハーサル前にRACCOS BURGERへ。

今まで散々、アボガドを食べることから逃げてきたんだけど、ついに袋小路に追い詰められ観念して食った。
美味しかったです。びっくりしました。
正直、見た目も色も食べ物らしくないし、「クリーミー!なめらか!やわらかい!」とかハンバーガーに入ってんじゃねえ!っつーのって感想ばかりを聞いていたものだから、拍子抜けしちゃった。
アボガドっておいしいのね。
珈琲もデザートのドーナツもおいしかったです。

どうやらこの店は東北ライブハウス大作戦が関わってるようで、中ではハードコアパンクが小さな音でかかっていた。
岡山の真昼間、陽光の中、それはどこか遠い国のように感じた。

リハ後にはKINGBISCUIT RECORDSの300円棚を漁る。
何枚かのレコード(掘り出し物も何枚か!)を買って、会場に戻るとたくさんの人。
開演前から噎せ返る熱と汗に興奮する。
そして、あの素晴らしき夜。

ステージの上に上がるまで考えていたことや、予想はやっぱりほぼ180°ひっくりかえされることになる。
そしてそれは岡山で多々起こるんだ。

去年の10月、岡山imageで行ったTHEラブ人間企画。
あの日は祖父が亡くなってすぐのライブだったから、怖かった。
自分がどんな顔してるのかもわからないまま、びくびくしながらステージにあがったのも束の間、すべて岡山のオーディエンスにひっくりかえされた。

だから俺は心がびしょ濡れていても、砕けかけていても、ここに二本の足で(これはメタファーなんかじゃなく)立ち続けてれば、また会えるね。ってあの日、言った。
でもそれはきみに言わされちゃったことだったりもするんだよ。

俺は俺であるけれど、俺はきみだったり、きみは俺だったりする。
岡山、本当にありがとう。


そして、現在東京への帰路。
泣きながら踊れる夜はあったかい?

永い永い夏になりそうだ、風邪をひかないようにね。

K.K




【今日の新曲】

「お前と割れたスピーカー」


中合わせではいたけれど
生き方を語り合ったりもした
すでに先に登り始めたその山から
俺たちはどんな風に見えてる?

俺たちは幸か不幸か
今もまだ麓で山を見上げてる
強がりやいくつかの後悔を
きっとこれからも連れ添わせてゆく

今夜も雨だろう
きっと傘もないだろう
濡れながらもいくしかないだろう
きっと止むことのない雨になるだろう

上等だ
上等だ
上等だ
ずぶ濡れて歩け

とっくに決めたことだろう
誰が決めたことなの?
とっくに決めたことだろう
お前が決めたことだろう

俺たちは照れ臭いけれど
相棒同士と思ってた
それでも散り散りと別れ
バタンと閉めたドア

今夜も雨だろう
きっと傘もないだろう
濡れながらもいくしかないだろう
きっと止むことのない雨になるだろう

上等だ
上等だ
上等だ
ずぶ濡れて歩け

とっくに決めたことだろう
誰が決めたことなの?
とっくに決めたことだろう
お前が決めたことだろう