親子丼にも似た朝

11/30

amazarashiのライブにお呼ばれしていただいたので、ひさしぶりに渋谷公会堂へ。
ここに来るのはウラニーノが手売りでワンマンをやった時以来。
その時まだ大学生だった気がする。
あの時、感じていたのは「思ったよか広くねえなあ。」だったのだが、入った途端デカさに驚いた。

それはきっと自分がステージに立つ人間として今ここにいるからなのだと思う。
あの時、大学生だった時とステージを見る目が変わっていっているのかもしれない。

amazarashiは初めてライブを観た。
CDで何曲か聴いてはいたのだが、ライブはほぼ映画や演劇、ミュージカルやオペラのコンサートに近いものがあった。
ぼくはそれを一歩通行の表現だと思っている。
答えだけをこちら側に突き出してくる。

勿論、終演後に各々が帰り道や家、それ以降の世界で感じることは多々あるが、ライブ演奏の1時間半の間はただただ一歩通行の表現だった。
そして、amazarashiはそれを突き詰めているのだと、ぼくは解釈した。

そして、それはロックバンドでも、ロックミュージックでも、バンドサウンドでもないライブだと個人的に思っている。
つまり秋田ひろむという詩人であり、歌手の為の空間と時間だったってことです。

一緒に歌える日を楽しみにしている、ってわけではない。
彼らはその一歩通行の表現の中に他者を挟み込むべきではない。


12/1
朝起きてTwitterを開くとeastern youth吉野寿のブログ「天沼メガネ節」の書籍化が決定!の報。
12/20青土社より刊行とのこと。
ヨダレ出るほど、喜びました!!!!!

これが「天沼メガネ節」
http://www.yoshino-seisakujyo.com/meganebushi/

もう何年も購読し続けているブログの書籍化なもので、まさに待望。
彼の歌詞の裏側に潜む「我が身」が喋り言葉で書かれているわけでして、それはそれは凄絶です。

同じくぼくのプロフィールにも載っけている大好きな写真家の大橋仁ブログも凄絶。

http://blog.ohashijin.com/


そして、夜はTHEラブ人間Ustream放送。
この日、下北沢にて'12の第四段発表を行いました。

この日、発表されたバンドはこんな感じです。

GOOD ON THE REEL
オワリカラ
クウチュウ戦
小南泰葉
・THIS IS PANIC
・柿澤秀吉
・蜜
・SEBASTIAN X
黒猫チェルシー
・島津田四郎
・VIDEO TAPE MUSIC
・おにぎり(ニューロマンス)
・ムートン
・忍ケンタウロス
・ロ字ック

と第四段発表だけでも、このボリュームです!!
しかも、今回はお笑い芸人や劇団も参加ということでまさにカオス!!

何年も前にツネと話していたとおりのごった煮イベントへの第一歩を三年目でやっと迎えれた気がしています。

まだまだ発表あります。
チケット好評発売中です。
ぜひぜひ、遊びにきてくださいね。

http://www.shimokita-nite.net/



12/2
THEラブ人間×Wiennersツーマン@吉祥寺WARP


みんな、マスクしすぎ。

仲良しの2バンドが年末に和気あいあいとツーマン!!
とかじゃなくて、本当によかった。

ツーマンイベントってのはすごくすごく難しくて、少し間違えるとただの内輪ノリのだらしのない空気になる。
2つの音楽以外の不純物をそぎ落とした、多幸感に満ちた空間を創るには、バンド同士のちょうど良い距離感ってのが絶対に必要だ。

もうずうっと前にWiennersが「W」を出した頃の企画に出演させてもらった時以来のタイバンってのもあって、あの頃と俺たちも、彼らも違ったし、変わった。

変わったというよりも、きっと俺たちはお互いに何かを手に入れたんだと思う。
自分たちだけが辿り着ける表現の極北に向かって、ある種ひとつの感覚を掴んだのだろう。
俺は別々の方向を向かう彼らと、共に歩めることを誇りに思う。

PASTA FASTA/HARDCORE FANCLUBのギタリストであり、WARPの一階に店を構えるtoosmell recordsの赤石くんのギターも最高だった。
なによりも魅力的な人だから、そりゃあいいギター弾くわって思った。

個人的にずーっとナンセンスだと思っていたことがあって、CDショップではほぼどこでも「J-ROCK」と「J-PUNK」が分かれてあります。

J-ROCKってのは要はJ-POPと呼ばれるものと相違ないと思って結構なのですが
J-PUNKってのはJ-PUNKなんです。
つまり、CD屋さんにミスチル買いに来た人はハイスタンダードとは出逢えないんす。
もっと言っちゃえばTHEラブ人間を買いに来た人は赤石くんのやってるPASTA FASTAやHARDCORE FANCLUBには出逢えないってわけなんです。
出逢える可能性がガクンと下がるんです。
もちろん逆も然りだよ。

ほとんど自分のルールやモラル、自分って人間自体を形成してきた場所がライブハウスだったから、なんとなくそんな「シーン」ってものがあるって空気を感じてはいたんだけど、やっぱりクソナンセンスだ。

そのシーン自体のイメージで、出逢えないバンドがどれほどいるか。
そして、ちょっとしたイメージが先行されて、聞く耳を持たなくなる人、そのシーンのバンドってだけで毛嫌いされ、勘違いされることがどれだけあることか。

この問題の一番の根源は、そんな空気やシーンを「バンド達」が作っちまったんだってこと。
それがジワジワと感染して、伝染して、CDを売る側にもオーディエンスにもそんな感覚を植え付けさせたこと。

ライブは暴れもせず、モッシュもせず、目を瞑って音楽に身を委ねるだけでも楽しい。
また同時に拳を上げて、時に手を叩いて、隣の奴らと肩を組んで、叫びまくるのも楽しいんだ。

オーディエンスは時に、そこまで辿り着けない。
でも、そんな空気を作ったのは、先人達であり、僕らでもある。
だから、俺は尻拭いをしていきたい。

昨夜Wiennersと赤石くんと俺たちが共演したように、シーンやジャンルを飛び越えて、バンド同士が本当にいい音楽やってんなーって認め合えたのなら、その時は垣根を壊すために共闘していきたい。

俺には出逢える可能性の少ない、J-PUNKに分類されてしまった友人達が幸運にもいる。
なら俺はそれをJ-ROCKしか興味のない連中に提示したい。
どうだい?やばいだろ?かっこいいだろ?って。
それだけで、いい。
聴いてもらえれば、解るはずだ。

「J-ROCK」と「J-PUNK」。
この二種類を俺は挙げたけれど、細分化された何十種類のいくつものジャンルが無数にあります。
きっとこれからも増え続ける。
けれど、ジャンルがいつか「MUSIC」ただひとつになる日まで、闘っていこうと思う。


K.K


【今日の新曲】

「アイロン」

朝起きてぼくはひとりだった
ご飯を食べてもぼくはひとりだった
いつもと同じようにぼくはひとりだった
気づいた頃には愛がそばにいたよ

愛ってやつは形も重さも
ないものなんだと思っていたよ
愛は寝ているよ 愛はなんか食べてるよ
愛は生きているよ 愛は愛してるよ

時にふたりはこの愛を窮屈だと感じる時がある
ふたりの心が雨漏りしている ダラダラダラダラと

きみの夢なんてぼくにはわからない
それでも叶えるっていうのなら叶えればいいよ
そしてぼくの愛なんてきみにはわからない
気づいた頃には愛がそばにいたよ

きみの愛なんてぼくにはわからない
それでも貫くっていうのなら貫けばいいよ
そしてぼくの愛もまたきみにはわからない
それでも歌にして風が吹いて季節に溶けていく

時にふたりはこの愛を窮屈だと感じる時がある
ふたりの心が雨漏りしている ダラダラダラダラと

この毎日をきみが自ら止めるのなら
その時は手に入れた自由で愛を貫けばいい
季節をまたげばいい

東京の街はもう夏がやってきて
きみの顔は蜃気楼
アイロンにかけた愛情

ゲロまみれのジーンズの裾
ゲロまみれ シャツの襟元
ゲロまみれ アシックスのシューズ
ゲロの中 光る 光る 光る 光る