仕舞い込む

11/21
赤坂BLITZへTHIS IS PANICのワンマンライブ。

に行ったと言いたいところなのだが、行けず。
でも、どうしてもBLITZに立つ、彼らを見たかったのでリハーサルだけ行ってきました。

リハーサルを見て思ったことは、音楽から逸脱してるってこと。
タカキHDRが辞めてからは、特に。
それを、つまりはエンターテイメントってぼくは呼んでいる。

ただディスパニの素晴らしいところは、レコードで聴けば完全に「ヒップホップ音楽」以外の何物でもないということなのです。
ライブになった瞬間に音源の隙間に潜んでいたエンターテイメント性が如実になるけれど、目を瞑っていればヒップホップ音楽以外の何物でもない。

ぼくは以前、彼らのファーストアルバムにこうコメントしました。

「パーティーはスポットライトの当たらない場所に
パンチラインは暮らしの中にいくらでも潜んでいる。
これは紛れもないヒップホップ・レコードであり
メルトダウンした僕たちに更なる爆発音を響かせる「ナウ・ベスト」作品である。」


つまり、BLITZを終えた彼らのナウ・ベストはもっと果てしなく遠くにあるはず。

次回作が今から楽しみです。


そのまま、THEラブ人間は京都へ。



11/22

京都磔磔にて単独演奏会【KYO TO KYO】開催。
今年最後のワンマンライブは京都で行いました。

ロックミュージックを胸に成長してきた人ならば、誰もが憧れるであろうこのライブハウスで単独ライブが出来たことに終始感動していた。

ライブは本編一時間半、ダブルアンコールを含めての二時間、全16曲でしたが、あっという間に過ぎていってしまいました。

今までやったことのないような多幸感溢れる雰囲気のワンマンライブになったのは、この街に愛されているからなんだな。と終わった今もじっくり噛み締めています。

何度もぶっ倒れそうになったり、諦めかけたりした二時間でしたが、アンコールで話したMKタクシーのおっちゃんが言っていた言葉通り「一からやり直せる」場所なんです、京都は。
だから踏ん張れました。
おっちゃんありがとう!

本編ラスト付近で演奏した「KYO TO KYO」という新曲の歌詞を載っけておきます。
この歌はおそらく今後CDに入ったりはしないと思うんだけど、大切に大切に京都で演奏したいと思います。


KYO TO KYO

同じ歳くらいの母親が
子供をふたり抱えて
新幹線で怒ってる
新幹線で愛し合ってる

ぼくが抱えているものは
ペットボトルの水くらい
ふたりがけの席 通路側
いつか父親になるぼくがいる

京都駅に着く頃には
やさしい人になりたいな
ぐんぐん過ぎて行く風景のように
ぼくも変われたらいいな

同じ歳くらいのあいつらと
三条の安い中華屋で
父親について話してる
母親について話をしてる

同じ歳くらいの親がいて
同じ歳くらいに死ぬんだろう
きっと同じくらい泣くんだろうね
同じくらい後悔するだろうね

京都駅を出る頃には
やさしい人になれるといいな
すぐに明けてしまうこの夜のように
ぼくも変われたらいいな

東京 冷たい風
また一日が過ぎて
やさしい人になれるような
そんな気がしている
きっとぼくは誰かに愛されてる



打ち上げは地球屋。
磔磔スタッフの皆さんも来て下さって、おもろい話たくさん聞けました。
来てくれたみなさんもどうもありがとう。
京都でのライブはまた来年。



11/23

紅葉の季節ということでメンバーと別れ、京都散策。


河原町大黒屋の親子丼。
これは以前VOX HALL有堀兄やんから教えてもらったお気に入りの店。



東福寺の紅葉は燃えるようなもみじの赤。
ここは昨夜の打ち上げで、磔磔店長に教えていただいた紅葉のメッカとのこと。
ものすごい人で落ち着かなかったが、この赤を目の前にすると季節のある国に生きていることを嬉しく思えて、目の前がクリアに見えました。


引きつった笑顔してます。
うまく笑えないね。



そのまま歩いて、伏見稲荷大社へ。
ここはずっとずっと気になっていた千鳥居の神社。
圧巻!
太陽の塔を初めて見た時にも感じた、圧倒的な存在感。

だが山道とは知らずに登り始めたもので、下りはへろへろになってしまいました。


が!猫と遭遇して回復。
野良猫のようで、もはや観光客に慣れ過ぎてるのか人懐っこい。
しゃがんだら膝に簡単に飛び乗ってきました。
かわええ。


清水寺が一年にこの時期しか公開していない、月の庭という庭園を公開していると来き行ってみたが、ものすごい人の量にげんなりし断念。
いくら東京生まれだろうと、人ごみは苦手なもんです。


なので、清水イノダコーヒーへ。
はじめてのツアーの時に京都に来た以来のイノダだったもので、味わい尽くしました。

高田渡の「コーヒーブルース」という曲の中にイノダコーヒーが出てくるのは有名な話ですが、初めて行くまではボロッボロの小さな喫茶店をイメージしていたものです。
イノダコーヒーはどの店舗も、ボーイやウェイトレスがびしっと制服に身を包み、髪の毛もきちんと整え、店内も広く高級感漂っています。
つまり当時の高田渡はすごく浮いていたんだろうなあ。
それでもウェイトレスの女の子のことが好きで好きで、金を貯めて背伸びして似合わないイノダに通い詰めていたのかなあなんて想像するのです。


京都駅はもうクリスマスイルミネーションでした。
たまにはおめかしした京都タワーも可愛いですね。



最後にはお好み焼き屋珠ちゃんで酔っ払い、東京に帰りました。
ひでーかお。

帰りのバスで酔っ払った頭でぐるぐると考えたことは、未来のこと。
強く強く光り輝くために、馬鹿みたいなことたくさん考えた。
コンタクトレンズを外してたから、テールライトが虹のように光って見えました。
こんな未来が待ってるんだよ。
強く強く強く祈る。



11/24

朝から宅録
雨戸閉めっきりで小さな音で鳴らす。
冬の宅録はしんどい。
手がかじかんで、変なエフェクトがかかる。

夜はオワリカラワンマン@クアトロへ。
ツアーファイナルDVDの発売記念だったようで、共に回ったツアーの時の思い出がぐるぐる。

あのツアーでは毎回、我々より先に圧倒的な存在感で演奏するオワリカラに良質なプレッシャーをかけられつづけてきました。
我々もそれに負けじと筋肉を膨張させ、鍛え上げてきたものです。
タカハシヒョウリに受けた影響は色濃く、もっと純粋に音楽に向き合うきっかけにもなったツアーでした。

昨夜のオワリカラは多幸感たっぷりの二時間。
自分たちのクアトロでの初ワンマンを思い出しました。
ヒョウリは変わってきたなあ。
あんな幸せそうな顔をステージで、なんの恥ずかしげもなく見せているのだから。



終演後は東京カランコロン全部と、撃鉄天野ジョージ、なめちゃん、にしちゃんと呑みに。
全部くんは東京カランコロンの人とは知らずに出逢って、もうすぐ三年半。
天野ももうすぐ三年。

出逢った頃の話なんかしたりして、みんなずいぶんと丸くなったもんだなあ、と思った。
でも、舐めてもらっちゃ困るのは、尖っているものは丸いものより、本当に鋭いのか?
ってこと。
丸いものから(丸くなったものから)発せられる、エネルギーが、尖っているものよりも、鋭く突き刺さることが音楽の世界では起こりうるんだよ。

昨夜、タカハシヒョウリが後半戦のはじまりに叫んだ
「こんなもんじゃないんだよ。」
耳から離れない。

磨く、鍛える、続ける。
今日もスタジオへ。


K.K


【今日の新曲】

「愛は旅をする」

起き抜けの愛
珈琲を淹れて
いつもよりも濃くて熱いやつを
ぼおっとしてたらきっと
すぐに冷めてしまうよ
いつもよりももっと苦いやつを

それでも愛は
昼過ぎに起きて
散らかった部屋を片付けたあと
「もうちょっとだけ」って
まどろんでしまった
いつも通りの温度のまんま

ぬるくて
気だるくて
だらしがないこんな毎日に
終わりはない
答えもない
そんな日々と旅をする

仕事終わりの愛
ビールを買って
ぽちぽちと部屋でゲームをやってる
馬鹿みたいなことを俺は考えてる
昨日見たテールライトは虹

時々、ずるいこと思いついて
その度、粉々になってしまいたくなる
パスポート チョコレートだけ持って
日の当たらない場所ではじめからはじめようかなって

それでも
愛おしくて
憎み切れないこの愛ってやつと
ふたりきりで
眠気覚ましくらいの旅をする

ぬるくて
気だるくて
だらしがないこんな毎日に
終わりはない
答えもない
そんな日々と旅をする