太った子犬

現在、ひとり福岡から新幹線で帰っております。
今回の東京→岡山→名古屋→福岡のツアーはスタート時からずっと体の具合が著しく悪くて、大事をとってひとり帰らせていただいています。
メンバーは地獄の福岡→東京の1000kmのドライブコース。
申し訳ない。
なので、ここに文章としてツアーが終わったのちの感覚を残しておく。


今回、名古屋と福岡でメイン使用したOrvilleのレスポール
多分、日本製。
エンジニア鈴木匠からのもらいもので、今回完全復活リペアを遂げ、ステージに使用した。

名古屋ではJCに繋いだら、バッキリとハイとロウが目立ちものすごくマッチョな音になった。
攻撃的で馬鹿みたいにファズが爆音だった。
この日のオーディエンスはそれを直撃で受け止め、興奮してくれたように思う。


福岡ではMarshall2000から出し、いつもの設定とは大幅に変えてみた。
真空管を挟むと、低音がボワっとしすぎてるんじゃないかと思うくらい丸い音になったが、歌をうたう上ではなんとも絶妙にマッチした。
昨夜のビートステーションは天井も高く、尚且つ広い為、ものすごくふくよかなバンド音になったと思う。
その証拠に歌はものすごい距離を飛んで行った。
唇が引きちぎれるんじゃないかと思うくらい、デカイ声で歌った。




ライブ前日は福岡の屋台でラーメンを食った。
今回のツアーは夜な夜なみんなで飯を食ったり、呑んだり、楽しかった。
ツアー中の夜ってのはもうちょいと心が擦り切れそうになってきたものなのだが、気が抜けているのか、それとも心持ちが変わったのか。
でも、ここ最近の自分はどうやらひとりではなんにもできないことがわかってきたというか、THEラブ人間としての自分の底がある種知れたというか、らしくないなあと思うが、みんなといると楽しい。

だから、どれだけ悔しい夜を通り過ぎても、もう怖くない。
俺は120歳まで生きる、と決めたのです。
大好きな人と結婚して、子供が出来て、子供にも子供が出来て、親や兄弟や妻が死んで、孫に看取られながら死ぬ、と決めたので、ちょっとやそっとの挫折は次の一手で撃ち殺す!!
無論、その瞬間、瞬間の一撃で死ぬ気でおります。


昨夜の福岡はハロウィン。
でしたので、オーディエンスの皆さんからたくさんお菓子をいただきました。
ありがとう、俺がすべて食いました。なはは。

福岡のオーディエンスはとてもあたたかく、物販に出ないぼくのことを入り時間や搬出の時間に待っていてくれて、なんだか心苦しいです。
本当にありがとう。

いつもラジオの公開生放送など観にきてくれる女の子のiPhoneケースがこんなんだったよ!

すごいね!!!うれしいね!!
俺も透明のクリアファイルにeastern youthの雑誌の切り抜きを貼って学校に行っていました。
学生カバンにKISSのパッチワークを安全ピンで留めて、通学してました。


福岡では

海鮮親子丼

牛タンの刺身

マグロの赤ちゃん

ニラ玉

マグロの赤ちゃんのカマ

などなど、食いました。
腹一杯。たぶん、太った気がします。

打ち上げもわちゃわちゃとしていて、たくさんお話しました。

HAPPY BIRTHDAYきさ。

tricotこまき。

みんな帰るのが名残惜しそう。


福岡の夜はぴりっと冷えていて、部屋に帰ってから湯船に浸かるまで、震えが止まりませんでした。
湯船を貯めてる間、今回のツアーの写真を見返していて、ひとりで笑っていました。
思えば写真は元から良く撮る方だけど、すごい最近写真溜まってるなあと思っていたら、10/1からの一ヶ月間で300枚近く撮っていました。
わー。なんだこりゃー。と思ってたら、ちょうどその日は祖父の告別式の日だったのです。

今日で告別式から一ヶ月。
祖父の葬儀はたくさんの写真に囲まれていました。
こんな頃あったんだーというくらい古い写真、亡くなる寸前の祖父の写真まで、あー撮っておいてよかったなあと何度も何度も思いました。

写真は記号や紙であるのだけれど、何かがあって、何かが起こった記憶を焼き付け、残すためのものなんですね。
当たり前だけど。
祖父の告別式のあの日からたくさん歌が出来ました。
それと同時に、どんなくだらない瞬間も美しく見えるようになって、写真をたくさんたくさん撮るようになりました。

もちろん写真ーにはーうつらないーうーつーくしさーがあるんですけれど、ね。
でも、いいの。
ぼくは祖父のことで悲しくなった時に、何度も見返す写真や映像に助けられているのです。

それに負けない歌を、書こう。
歌おう。

K.K



【今日の新曲】

「こどくにくちづけ」

月曜日 車に乗って
さっきのくちづけの残り香を抱いて
火曜日には歌を歌った
違う街のきみにも届いたかい

水曜日 車に乗って
月曜のくちづけ忘れてしまった
木曜日 歌を歌った
くちづけをするように歌えた

きみがいない
ぼくはからっぽだ
こんな風になりたくなんてなかった
ぼくの孤独に羽が生えたら
ぼくの孤独に羽が生えたら

金曜日 車の中で
見た夢の中にきみが出てきた
一週間でわたし太ったかも
一週間分のくちづけをしてよ

土曜日 歌を歌った
歌い終えたあとも歌いたかった
東京に帰りたくないと思った
きみに逢えないのも大丈夫になった

ぼくがいない
きみはからっぽじゃないから
だから好きなんだな そんなところが
きみの孤独に羽が生えたら
きみの孤独に羽が生えたら

きみがいない
それでもきみがくちびるにいる
それを歌にして 街から街へ
ぼくらの孤独に羽が生えたら
ぼくらの孤独に羽が生えても
羽をむしってゴミ箱行きだね
その足で歩いて行こう 歌と一緒に

日曜日 電車に乗って
月曜のくちづけ思い出して
きみに逢ったら 新しい歌
くちづけの前に聴かせてやろう