TIME IS KEYWORD

10/3
高尾山へ。
天候が悪く、途中からどしゃぶりだったが気合の登山。

雨に濡れびしょびしょになり、どんどん体が冷たくなっていく。
それでも体内は血が沸騰し、熱くなっていく。
勝手に決めつけたこだわり、理想、責任、を追い求める。
ああ、これが心の奥底が燃えているっていうやつだ。

山頂で祖父にキャスターロングと、山の空気をプレゼント。
喜んでくれただろうか。



ブログのトップとプロフィール写真を変えた。
川崎龍弥という旧知の仲の映像作家がいるのだが、奴が撮ってくれた。
彼は三年ほど前からぼくのことを撮り続けてくれている。
はじめてのツアーも全箇所付いてきてくれたな。そういえば。
声がまったくでなくなった神戸のライブも、京都でのツネとトガシの喧嘩も、ガラガラの富山も、まだ原発に震えていない福島も。
彼が残してくれている、から、いつだって振り返れる。
この場所に戻りはしない、と強く誓える。

祖父が形見にくれたのは、SEIKOの腕時計。
いつも、肌身離さず祖父はつけていた。
腕時計の文字盤にはちいさく「SPIRIT」の文字が。
おお、俺も君もいくらでも持っている。
いつ失くしてしまうかビクビクしながらも、いつも肌身離さず持っている。
何が起こったか、それは刻みつけている。
魂と腕時計は確かに似ているようだ。


photo by tatsuya kawasaki


日付変わって今日は祖父の初七日。
当たり前だが、時の巡りは一瞬だな。
七日かけてたどり着いた三途の川を、うまく祖父が渡れるように家族で折り紙の船を折った。
もちろんキャスターとライター、酒のつまみも載せておいた。


仕事にも復帰して早速うたっています。
これからも一生懸命、曲を書き歌います。
どうぞこれからもよろしくね。

K.K


【今日の新曲】


「あと60年」

そうやって簡単にやめてしまうと言うのなら
俺が今ここに残しておこう
夏終わり 新宿(2012.09.28)
あの日から始まったのは不貞腐れぬ日々だ

もうこれ以上無理だと何度も思ったよ
天才だと思っていた才能は薄っぺらいものだった
一分一秒一瞬の間にまばたきの隙間に行われた
出来事を見逃すか、見逃さないか
天才と凡才の差を埋めるには目を逸らさないことだ

俺が歌う事柄はそんなに多くはないが
義務教育では学べないことだと言うことは確かだ
はっきり言っておくがもちろんこれは義務ではない
お前はお前らしく生きるんだとあの日思ったんだろ?

低い態勢
腰で味わう命はない
前傾姿勢
脳みそで噛みしめるんだ

言葉は有限
それは百科事典レベルの話だとしたらだ
ここはもっと単純で乾き切った空間だよ

今お前が考えていることくらいならいくらだって言い当てよう
俺はきみの喉笛を音もなく噛みちぎろう
ほら見てみろ きみは誰よりも獰猛で自由だ
自由をたくさん吸い込んだあとはがんじからめを味わいな

低い態勢
腰で味わう命はない
前傾姿勢
脳みそで噛みしめるんだ

味が無くなるまで
味が無くなるまで
味が無くなるまで
味が無くなるまで

きみとは今日出逢ったがきみのことは知っていた
もうずっと前から俺はきみを知っていた
それがいつどこでどんな時かには意味はない
俺もきみもあの暗い孤独を噛み締めた仲じゃないか

孤独の奥のドアの鍵はどうやらひと種類のようだ
きみはそれを持っているがどこに閉まったのかを忘れているだけだ
そうがなる俺も扉の奥には未だ辿り着いたことはない
いつだって孤独だ
あと60年くらい
もう60年しかない
その中の一秒はもう今となっては短くはない
孤独を味わえるだけ味わい尽くしてやるがいい
その鍵をなくしたとしてももう誰も驚かない

低い態勢
腰で味わう命はない
前傾姿勢
脳みそで噛みしめるんだ

味が無くなるまで
味が無くなるまで
味が無くなるまで
味が無くなるまで