mario cart burning your heart.

今夜は来週、名古屋クアトロで行われる初恋の嵐ライブのリハーサルです。
ぼくも歌うし、あんな人やこんな人も歌います。

久しぶりに降りた駅。
ずらっと並ぶ飲食店は様変わりしていて、そうなると雰囲気も違うな。
あの頃、この街を歩いていた自分の居場所なんて何処にも無いように思える。
いや。居場所なんてものは初めから無かったんだろう。

街の風を肩で切り、問い詰め続けた所在地は常に変化し続けている。

朝からずっと初恋の嵐を聴いている。
10年くらい前に聴いた時と、なにもかも違うように思えた。
まるでこの街が変わっていったように。
居場所なんてものは初めから無かったように。
普遍であるべき録音物も、自分の変容と共に変わっていく。

俺はそれを掴まえたい。

人の歌をうたいたくなくて、自分で曲を書き始めた。
それも丁度10年くらい前だ。
初恋の嵐をはじめて聴いた頃だ。

今、また誰かの歌をうたうようになるなんて思わなかった。
自分の歌以外を人前でまた歌うなんて。

ぼくにシャーマンはいらない、イタコもいらない。
誰かの歌を歌うのではなく、ぼくの初恋の嵐を歌おうじゃないか。

K.K



【今日の新曲】

「veranda naranda」

南西向きのベランダ
洗濯物を干した
サボテンの花が咲いた
ぼくの家のベランダ

きみの家のベランダ
そろそろ実るゴーヤ
洗濯バサミに下着と
濡れたばかりの恋を挟んだ

カウリスマキの映画
白ワインを飲み干してた
きみはクールに話したし
たおやかに心臓を聴いてた

副都心で渋谷から地下道の風を引き連れて
仕事も遊ぶ相手も生き方も変わっていく

ベランダ並んだ 兄弟の若き肖像画
ベランダ並んだ 恋人の青き軋轢を
ベランダに並べて 水たまりで小鳥が遊んだ
何処から来たのか 忘れてしまいそうになったんだ