SAX 聴こえる

梅雨があけて、街から湿気は失われ、太陽だけが意気揚々とのさばっている。
反比例するように人は牛歩になるが、心の底はときめいている。
こんな季節、夏。

その真っ盛りに兄が籍をいれた。

男ふたり兄弟なもので、大きなケンカをすることも、テレビのチャンネルを争うこともなく、26年ほど一緒にいる。

兄もぼくも何年も前から家を出ていたので、今年の頭にお互い実家に帰ってきてからまたよく話すようになったのだが、発見ばかりである。

人は人と過ごすことができ得るということを、ぼくは実の兄から学んだ。
そして、振り返ってみるとそれは父や母や祖父や祖母からも。

ぼくも誰かといっしょに、いれるのね。
あきらめるのは、もうかんべんだ。




先日、約二年ぶりの全国ツアーが終わった。
ファイナルのリキッドルームでのワンマンライブは感無量でした。
二時間の熱狂と静寂をどうもありがとう。




ツアーも終わり、これからは長いスタジオワークがはじまります。
夏が始まると同時にぼくらは地下に沈み込みます。
つぎみんなに逢えるのは各所行われる夏フェスでしょうか。
またそこで逢えるかな。
ステージの上から話しかけます、聞き漏らさないでおいて。


その前に、ツアーが終わったご褒美として海にいってきました。
ひさしぶりに行ったなあ。
多分最後に行ったのは、「これはもう青春じゃないか」のアーティスト写真を撮って以来。
大好きな長谷駅
あの日行った喫茶店は無くなってた。
でも、それ以上のものを手に入れてまたここに来たよ。

歌にしましたので、そちらで。

では、また。

K.K


=今日の新曲=

小田急線(仮)】

勝手につくった祝日で
今日はどこへ行こう?
列車を何度も乗り換えて
ここまで来たけれど

たぶんここが終点で
たぶんここがはじまりだ、ね
新しい季節がはじまる、ね

最低でどうしようもないふたり
波があらう
最低でどうしようもない
ふたりは手をとって

列車はカーブを曲がる
振り落とされないようにね
きみとぴったり、重なってる

ゆうべの嘘も
何年も前の洋服も
潮風に乗せて消えてしまわないように
過ぎて行った時間も約束も引き連れて
リトルトリップ
最高のふたりになれるかな