アインシュペンナー
ぼくはいま、長崎にいます
雨が降っていて、アスファルトが真っ黒になっていきます
この街のことまだなんにも知らないけど
雨はこの街にはとてもぴったりな気がしています
きみのことなんにも知らないけど
きみにぼくはぴったりな気がしているのといっしょですね
ここ一ヶ月くらいは、東京を出て、知らない街で歌うことだけを考える毎日です
昨夜の福岡では、その日の風と湿気と気温が入り混じった、まさにその日だけしか見ることのできない風景を切り取って歌えたんじゃないかな
オワリカラと回ってる今回の全国ツアー
ライブハウス編は今夜、長崎で終わります
彼らとのぶつかり合いから手に入れたもの、たくさんあります
それが今夜、終結します
ぼくのうたうことってのは、さみしかったり、くるしかったり、かなしかったり、そんな感情が多く含まれてるように思う方も多いと思います
いつだって、毎日は泥まみれた泥濘の中であり、その中で生きていくことはとっても、辛いです
それでも歌に乗っかり、放たれる気持ちの先は、いつだってよろこびです
「かなしみ、は、よろこび。」
「よろこび、は、かなしみ。」
それはTHEラブ人間が三年間歌ってきたことです。
いま、海の街長崎の「ウミノ」っていう喫茶店にいます。
さあまた今夜、長崎でよろこびに向けて、膝までずぶ濡れた我々は歌います。
K.K
=今日の新曲=
【ウミノ】
うーんと考え込んで
もうどうにもならなくて
漫画をたくさん買ったり
ビールを一本のんだり
ぼくはきみのことまだなんにも知らないから
夜がやってきたら電話かけてみようかな
東京を離れてきみがいないところで
たくさん笑った分だけ
きみを連れて行きたい場所がどんどん増えていく
(たとえば)
海の街にあるウミノって喫茶店
もしも雨が降ったなら
ほんとうにぴったり
ずーっと考えていた
「だれかと過ごす」ってこと
朝起こしてあげる
夜は寝かしつけて
きみもぼくのことまだなんにも知らないよね
東京に帰ったらすぐきみに会いに行くよ
この街を歩いている
ぼくじゃない人が歩いてる
それだけでほっとするから
何年も前にできた店で
ふたりがけの席にひとりで
海の街にあるウミノって喫茶店
もしもきみと一緒なら
ほんとうにぴったり
海の街にあるウミノって喫茶店
今日みたいに雨が降ったなら
ぼくたちにぴったり