仙台のこと

以前、4月に仙台で演奏した。
新しく建て直されて、引っ越したばかりのMACANAで。
ひんやりとした深夜の仙台の街で歌うぼくの歌には死臭が漂っていた。
震災後一年経った4月。
それでもなお、だった。

以前、このブログでも触れたので多くは語らないが、その日以降、ぼくの歌から死臭は薄れていった。
というか、ぼくはもう仙台で死臭を香らせる歌を歌う必要はなくなった。

今日、またこの街で歌った。
あれから二ヶ月。
ぼくはMACANAで約束したとおり、目の前のあなたのことを歌うようになれた、みたい。
仙台、こんな気持ちにさせてくれてありがとう。

お礼になるかはわからないけど、今日のこと歌にしました。
歌詞だけだけど、読んでね。


K.K




【人々】

長い旅ははじまっている
それは短くもあります
ジーンズ Tシャツ 下着と靴下
心だけは置いて出て来ました

まともに目を見て話せないぼくは
まともな言葉で話せないぼくは
いろんな景色をはじめて見たよ
いろんな人とまともに話したよ

あの街
この街
生きている人たち
泣きながら踊れる夜はあるかい
さよなら
さよなら
生きている人たち
泣きながら別れるときはあるかい

長い旅ははじまっている
それは短くもあるが
ジーンズ Tシャツ 下着と靴下
心はいつだって日替わりですから

あの街
この街
死んでしまった人たち
出逢う前にすでに別れた人たち
さよなら
さよなら
死んでしまった人たち
別れを告げることもなく、ハレルヤ!

だからね
だからね
生きている人たち
出逢う前のあなたを教えてください
つぎいつ会えるかな?
会えないかもね
だからこそ教えてください

さよなら
さよなら
生きている人たち
本当はなにもいらないんだから
猫も愛も優しさも喜びも
生きていればいらない