熊を放つ
あったかくなってきた。
急に、で驚く。
さて、今日も振り返るだけの文章。
1/30のつづき
高速バスは何箇所かの休憩地点を経て、名古屋へ。
到着後、ロックンロールのスタッフのみんなと沖縄居酒屋へ。
店長のホンダさん、PAのイトウさんから学ぶことが多過ぎて、目から鱗。
誰かに向けて話している話や、誰かのことについて話している話。
ぼくも誰かについて話をしたりする。
それは、僕じゃなく、誰かの話なんだけど、それ、すべてが自分に跳ね返ってくる。
聞き逃さ無いようにしなきゃ。
転がっている言葉の端々に、瑞々しく生きる為のヒントは潜んでいる。
その後、名古屋で一番好きなホテルで眠る。
安くて、簡素で、すごく好き、だ。
1/31
昼前にチェックアウト。
ゆっくり栄の街を歩き、昼飯。
PARCOにあったスープカレー屋さん。
そう言えば、本場北海道で未だにスープカレー食ってないなあ。
はやく、また北海道でライブがしたい。
札幌でまってる人がたくさん、いる。
北海道の他の街にも行きたいなあ。
脱線した。
名古屋に戻ろう。
そんで、この日泊まるホテルにチェックイン。
このホテル、初めて来たんだけれど珈琲飲み放題。
セラヴィ!!うれしい!!
荷物を置いて、名古屋駅まで歩く。
ゴールド、シルバー劇場という古い映画館で「東京日和」という映画を見る。
名古屋にわざわざ行って、東京を舞台にした映画を見るっつーのもなかなかオツなものである。
そして、なんと。
偶然行ったこの映画館、あと3日で閉館するらしい。
昭和58年に出来たらしく、その歴史28年。
ぼくの兄と同じ歳。
ひとつの人生の節目に、また出逢ってしまった。
その後、名古屋駅周辺と栄の街をぷらぷらぷらぷらして、夜は居酒屋へ。
この季節は名古屋もぐーんと気温が下がって、足の指の先までかじかんでしまった。
寒いのは大体苦手で、嫌いだけれど、なぜか今夜は悪くないな、と思った。
見知らぬ街、見知らぬ店、見知らぬ映画館。
それが一瞬で、たちまち見知ってしまうのだから。
人生は本当に面白い。
ホテルに帰り、少しテレビを見てからベッドに入る。
目をつぶり、失われていく映画館のことを思う。
人がたっぷり自分の哲学と、ものさしを手に入れる、そんな時の長さをあの映画館は知っている。
もう無くなってしまったけど、ぼくにも東京に大好きな映画館があった。
無くなってしまったというか、半分になってしまって、今はライブハウスになったんだけれど。
あの映画館のある一室に書いてある言葉。
「STAY BEAUTIFUL」
失われていく映画館よ。
いつまでも、美しく、金と銀を纏って輝いていますように。
2/1
昼前にチェックアウト。
前々日に泊まったホテルに携帯電話の充電器を忘れてしまい、取りに新栄へ。
その後、地下鉄で上前津。
ずっと探している文庫があるので、古本屋を回っていたのだがやっぱり見つからなかった。
ぼくは気にしいなもので、ライブ当日や、レコーディングの時はカレーや辛いものを出来るだけ食わないようにしている。
完全にオフモードのこの名古屋旅では、喉に悪いことたくさんしたなあ。
たまには肩の力を抜いて、街と人々の暮らしの力をたっぷり吸い込むのも悪くないんだな。
そして大須観音で一ヶ月遅れの初詣。
真っ青な空におびただしい量の鳩が飛んでいた。
宙を駆け、風を真っ二つに切り裂く飛ぶ鳥たち。
いつまでも、きっと死ぬまであこがれる。
まんだらけと、東別院の喫茶店ユニコーンとBOOK OFFに寄り金山まで歩く。
15時ごろ、高速バスで東京へ発つ。
またすぐ来よう。
この街が、すごく、好き、だ。
綻んだ心から、ぽろりと落ちてくるのは、歌。
雨の日のジーンズの裾のような、歌だ。
21時ごろ東京着。
家に帰り眠る。
2/2
早くに起きる。
一日中、デモ録音。
今日中に25曲録らなきゃならんので、まずは飯をたらふく食う。
腹が減っては戦はできん、とはよく言ったものだ。
ほんと、その通り。
うまい飯と、水、太陽の光。
うっし。今日もがっぷり四つで生きてる。
ある程度弾き語りライブなどで、味がついてきた新曲を録音し続けるのだが、そんな作業しながらもあたまの片隅にはどんどん新しい言葉とメロディ、つまり昨日とは違う自分が湧き出てくる。
この日結局、夜までに25曲の既存曲と6曲の新曲を録音出来た。
ふふふ。大量生産。
品質は落ちませんよ。
飯食って、本読んで、音楽聴いて、眠る。
2/3
スタジオ練習。
昨夜、録音した25曲の中から選出した二曲を練り始める。
ここがオーディエンスのみんなが知らないバンドの面白いところ。
当たり前だが我々は五人の人間でひとつの音楽集団をやっている。
それは、五人でひとつということでは、ない。
全く違うひとり、ひとりがいるわけだからそれはそれはぶつかる。
まるく収めようとする者、言い方が悪過ぎて空気を壊す者、自分の苛立ちにも気付かない者。
そんな危うい瞬間が、永遠の様に続く。
だが、そんな中で一瞬だけキラリと光るなにかがある。
それを五人は見逃すわけにはいかないのだ。
それに、我々はこの三年間それを掴み続けてきた。
この二曲。
かなり化けると思う。
皆さん、おたのしみに。
スタジオ後は新宿でビラ、ポスター配り。
その後、渋谷LUSHに遊びに行く。
三バンド見た。
THIS IS PANICは新曲モヤトリアムがライブでは音源の何倍も輝きを増していた。
あの曲はすごい。
彼らの美味しいポイントが全部入ってる曲だ。
そして、去年一年ずっと言えず溜まっていたことも、彼らに話せた。
これも名古屋で感じた通り、自分にも言い聞かせたことだったんだけれど、ね。
殺したいくらい愛しい親友たち。
そんで、新生URBANフェチには驚かされた。
なんなんだろうあの自由さは。
それはフロアから降りて、お客さんにマイク持たせるとか、MCがなんたらだーとか、アクションとか見栄えの話なんかじゃなくて。
音符とフレットとリズムの上をすいすいすいすい進んでいく、あの自由さ、だ。
きっとぼくの知らない音楽の世界を、URBANフェチは知ってるんだろうな。
そんで、この日トリはBAND Aという福岡のバンド。
実はround upの打ち上げでギターのオカさんとは話したことがあったのだけれど、ライブははじめて。
しかも、この日上京して初ライブとのこと。
肝心のライブなんだけど、すごくよかった。
なんか、いくら考えてもあんまりうまく言葉が出てこないんだよなー。
曲も、歌詞も、ちょっとへんてこなんだけど、あざといくらいポップの真ん中で仁王立ちしてる。
変な奴ら。
とにかく思ったのは、タイバンして瞬殺してえ。ってこと。
ライブ後、ギターのオカさんとエフェクター談義。
ものすごくギターの音がまろやかで、こんな音出す人あんまり東京で見かけなかったから思わずエフェクター見せてくれとか言っちゃったのでした。
良い夜。
ライブハウスに充満したタバコの匂いがコートに染み付いてる。
1/4
下北沢THREEにて弾き語り。
この日はドランカーズナイトということで、酒呑みの酒呑みによる酒呑みの為のイベント。
ちなみにぼくは呑めない。
なので、珈琲のうたを歌いました。
【2012/2/4下北沢THREE】
1六曜日(lonely travel) ※新曲
2KYO TO KYO
3どうせ、慰時代
4FUCK OUR DAYS
5カレーライス
6幸せ
7こいのおわり
なんつーか、このイベントを出番のあとずーっと見ていて思ったことがありすぎるの、よ。
隣のBASEMENT BARでは夙川ボーイズや遠藤ミチロウがほんとぎゅうぎゅうのフロアでライブをやっていて、なんでこっちはまだフロアにスペースの余裕があるんだろうって。
簡単に言うと悔しかったんだ、よね。
でも、全然それだけじゃないの。
そんなネガティブな話じゃなくて。
うーん。なんてんだろうな。
この日、THREEに来てくれたみなさんが、「あの2012年の2月4日のライブに行ったんだよ」って胸を張って自慢できるようにさせてやるからな。
絶対!!
ってこと。
この日出た全員、そう思ってるから。
ほんと、またライブに皆さん来て下さい。
ライブ後、終電逃し、わたみんちで打ち上げ。
SUNNアベちゃん、ミートザホープスクックと大切な話たくさん、する。
一生忘れられねえな。
そんで俺がずーっとこの日を楽しみに待ってた最大の理由は、ゲスバンド。
サコくんのベース弾いてる姿、ずっと待ってた。
朝、久しぶりに会うの親友の家で眠る。
このブログのトップはあいつがつくってくれた。
ふふふ。
2/5
昼前に起きて、スタジオへ。
光明らしき輝きが見え隠れしてる。
掴まえねば。
その後、O-nestで久しぶりのHOMMヨ。
SEの選曲からこりゃーもう良いライブになるだろうなあ、なんて思えた。
ほんとに最後に見たのいつだろうぶりだったんだけど、すげえマッチョな音になってた。
頭ぶん殴られてるはずなのに、腰まで響いてきた。
多くはきっと語れない。
とにかく腰で聴く音楽に、なってた。
俺が腰で聴く音楽はキャロルキングとツェッペリンとHOMMヨ。
その後のKIRIHITOはもうなんも言えなかった。
ツーマンしてえ。
ソコラノグループは相変わらずギターヒーロー!
オオノくんがファズを踏んだ瞬間、いつもはじめてkocorono聴いた中学生の頃に戻っちゃうんだよなあ。
頭痛がひどくて、ハコを出る。
すぐ寝たかったけど、なんだか電車に乗る気になれなくて渋谷の街を歩く。
ひんやりとした風は、頭に走る痛みを和らげてくれるし、人の中にいると自分がなにを考えているのかが浮き彫りになる。
やっぱり都会の街が、すごく、好きだ。
ひとりぼっちだってこと、忘れないようにしよう。
K.K