籠の椅子

ホテルの朝食が好きだ。
四種の焼きたてパンも、塩味のゆで卵も、泥みたいなコーヒーも好きだ。

それは種類別に綺麗に整理され、並んでいる。

ホテルの朝食を食べる人達が好きだ。
なんでもないように見える、国の一大事をTV越しに見るでもなく見るようにパンを食む人達が好きだ。

きっとこのホテルの朝食のスローガンはこう掲げられているのだろう。

【ある一日を食いつぶす為のメタファーとして】


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名古屋にいる。
何本かのライブ後のキャンペーン中。
まもなくホテルを出て、今日も一日かけて色んな人達の元に訪れることになる。

昼過ぎには三重に行くのだけど、三重には好きだったひとが住んでる。
大学一年の時、隣のクラスだったあの娘。
何度か映画を観に行ったり、安いファミレスで飯を食ったりもした。
僕は彼女を求めていたし、彼女もそうだったと思う。
冗談じゃなく、そんな気はたっぷりしていた。

そして夏休みが終わる頃には彼女は退学していた。
理由は未だに知らない。
季節は秋になろうとしていたし、19歳になったばかりの僕には少しばかり現実が巨大過ぎた。

それから、今日まで思い出すこともなかったんだな。

2011年。季節は冬になろうとしていた。
きっと今夜も冷え込むだろう。
そして、見えない場所で秋が死んでいく。



だから今日もここで、メモとして。

▼11/8
作業。
野方花みずきのつけ麺がとてもうまい。
でも、きっと来年には夢中では、ない。

▼11/9
作業。
野方のはじめて見たラーメン屋に入る。
二郎系を履き違えたインスパイア系にはほんとに困ってしまう。
食べ物ではなかったので、二割食って出る。
出直してこい。

その後、QUEでマリリンモンローズのレコ発。
ペリエ常木がどんどん強く大きくなっていく。
怖い。
常木は天才なんかじゃなかったね。
積み重ねたものが、手に取るように見えるステージでした。
三人のモンローに囲まれた、ペリエはもう無敵だったなあ。

撃鉄も同じ日にセカンド【鉄】を発売。
おめでとう!!!!

我々ももうすぐで、ある。


▼11/10
取材。
やっぱりぶーふーうーは落ち着くなあ。
知らない方は調べてみてください。
下北沢の安い喫茶店兼軽食屋です。

すこし、BASEMENT BARに顔を出して里帰りのゆりに会いにいく。
髪の毛が短くなっていた。

ステージではwonderverがやっていた。
ボーカルのあいざわくんは、お酒が入ってるときはぼくに話しかけてくれる。
お酒が入ってないと、人とうまく喋れない奴が、ぼくは好きだ。

そのまま海浜幕張まで行き、ラジオの収録。
行きの最中、SEBASTIAN Xの飯田に偶然逢う。
お互い写真撮り合ったり。


ラジオの収録はとてもスムーズに終わった。
DJの清浦夏実さんは若くしてとても聡明な人でした。
自分の考えを人に押し付けがましく伝えない人ってのは、やっぱりすごいな。
俺には到底出来ないことをこなしている、若者に感嘆声をあげてしまった。
放送日が楽しみ。


▼11/11
大阪へ。
秘密作業も最終工程を迎えております。
楽しみだねえ。
作業後は大阪のラブ人間スタッフ宮原氏とアメ村のライブハウスを巡って、チラシやらポスターを配った。
みんなみかけたらもらってやってくださいね。
その後knaveへ行き、蜜のライブを見る。


▼11/12
天王寺Fire loopにて演奏。
ラブ人間スタッフ宮原氏のイベント。
ってゆーかタワーレコードマルビル店の店員さん宮原さんのイベントです。

彼と出会ってこの日で、丸一年。
偶然が呼んだ、この偶然。
それでも365日を歌うわけではなく、振り返るわけでもなく、これからの未来の音楽を歌えたんじゃないかな。

アンコールもいただき、終わった後はおかもとの誕生日もオーディエンスが祝ってくれた。
本当にみんなありがと。
おかもとにとって一生忘れられない一日になったんじゃないかな。
もちろん、ぼくらにとっても、宮原さんにとっても。

【2011/11/12天王寺Fireloopセットリスト】
1これはもう青春じゃないか
2西武鉄道999
3悪党になれたなら
4抱きしめて
5レイプミー
6大人と子供
7砂男

アンコール
おとなになんかならなくていいのに


終演後は打ち上げへ。
地鶏の美味しいお店でたらふく食った。
アシガルユースと蜜のはしづめの関西ノリについていけずにずうっと、見ていた。
そしたら見てるだけで十分面白かった。
てゆーかマジで関西弁なだけでおもしろい。
はしづめは帰れたんだろうか。


主催の宮原さん!ありがと。


▼11/13
名古屋池下UPSETにて演奏。
wiennersのニューアルバム【W】のレコ発である。
彼らすごく良いステージでした。
ぼくに無いものと、ぼくが必要としてないものを全部持ってた。
多分真逆に位置してるんだけど、ひとつだけ、同じ。

【2011/11/13名古屋池下UPSETセットリスト】
1これはもう青春じゃないか
2悪党になれたなら
3レイプミー
4大人と子供
5砂男
6東京

wiennersといっしょにおいしいフルーツブティックまで。

ちなみに名古屋に向かってる最中に食べたびっくりかきあげうどん。

ほんとびっくりした。

そんで、たぬきうどん


▼11/14
静岡へ。

k-mixにて、生出演させていただきました。
前回行ったときと同じ感覚。
ここで働いているみんな、たっぷりと光を飲み込んだ太陽のような人達。
ここで、話していると、すごく綺麗な気持ちになる。

DJの南さんと!!
めちゃくちゃ甘い飲み物頂きました。

その後、名古屋へ戻る。
味噌カツをらむちーという店で食う。

今まで、得意ではなかった八丁味噌がすきになってきたかも。
うまい。

名古屋でもFM AICHIや東海ラジオに出演。

今回のシングルについての話をメインにお話をさせてもらっているんだけど、話せば話すほど自分のなかでくっきりと描かれていく、強いイメージ。
このシングルの頭二曲が何を意味して、僕になにをもう一度噛み締めさせようとしているのか。

収録全終わり後に、風来坊にて打ち合わせ。
手羽先むしゃむしゃ。

ねむる。


▼11/15
冒頭の文章をホテルの朝食を食いつつ、書き散らす。
今日は名古屋メインに回る。
たくさん出まくったので、どこかで聞いていただければ助かる。

毎回、同じような話かもしれない。
けど一秒ごとに僕はこの曲に対する姿勢は、気持ちは変わっていっている。

このシングル【大人と子供(初夏のテーマ)】は僕らの賭けだ。
それは、昨夜強く感じている。
もっとはやくこの領域まで気持ちを高ぶらせれたならな。なんて思う。

けど、ゆっくり考えると、元からそんな気持ち持ってる。
それでもゆり動いてしまうのが、僕らなのだ。
それを咎めるのは僕らにしかできないよな。

あるラジオ局では弾き語りで、生歌を歌わせていただいた。
15分時間を頂いて、自分ひとりで。
UPSETに残してきたものの、何割かは持って帰れたと思う。

そして、夜には三重へ。
こんな仕事をしていなかったら、まずのることのない電車で。
気持ちのいい色をしていた。


津っっっっ!!!


そして、今新幹線は東京へ。
窓の外は更ける。

仲間は確かにいた。
知らない場所に、見えない場所に。

K.K