ホールデンまたは、ハートフィールドの気分で。

久しぶりに新幹線の中から、文章を書く。
外は大雨で、今はきっと静岡あたりかな。
もっと東京に近いかもしれないけど。
あなたの住んでる街から、遠く離れようとしてるのか、はたまた近づこうとしてるのか。
それは、ぼくにはわからないけれど今夜はとても近くにみなさんがいるような気持ちなのです。

さて、振り返ろう。
ぼくは振り返るためだけに、この日記をはじめたから。
FUCK OUR DAYS。

▼10/28
新宿JAMにてTHEラブ人間での演奏。
数えてみると1年と1ヶ月ぶり、7回目の自主企画。
ただ今回は【決起集会】の名を冠さずに行った。
我われも出演するshimokita round upとの合同企画だったからだ。

今回、ケンジとQUIP MAGAGINEの小山さんがイベント自体をまとめてくれたんだけれど、リハーサルがはじまってみるとやっぱり自主企画特有のワクワク感にやられてしまう。

必然的にいつもよりも、饒舌になり、あまりフロアに普段いないぼくも、ほとんどのバンドのほとんどの時間をオーディエンスと共に過ごすことになった。

特別な感覚を余計強くさせたのは、新宿JAMという場所によるものも多い。
由緒正しいハコだってことや、若きロックバンドの最先端が今この時代に存在しているということを表明し続ける場所だということよりも。
ケンジのはじまりの場所が、JAMだということが一番にあるからなのだと思う。

気の知れたスタッフと、気の知れた中音。
そんな場所にはじめましてと転がり込んだケンジを除いた、我々4人を抱きしめるように迎えてくれたこの場所だからこそなのかもしれない。

我々のステージは、ぼくが思うにここ半年間ではベストの30分間になったと思う。

なにかを残し、植え付け、咲かせ、種を落とすような、そんなライブにやはりぼくは興奮するのだと思う。

感じたあなたが誰かに伝えてほしい。

出演してくれた
笹口騒音ハーモニカ
タカユキ・カトー
THIS IS PANIC
Sorrys!
未完成VS新世界
ヤーチャイカ

バックアップしてくれた
radio DTM

そして、何度感謝しても足りない
Quip magagine のクルーの皆さんに大きな拍手を。

【2011/10/28新宿JAMセットリスト】
1わたしは小鳥
2これはもう青春じゃないか
3悪党になれたなら
4レイプ・ミー
5砂男

アンコール
おとなになんかならなくていいのに

タカユキのライブにゲストお招きしてもらって「キルミー」を朗読と口笛で。


TIP!!


打ち上げ!!


ヤーチャイカにしはらくん。だいすきなのにうまくつたわらない。


▼10/29
朝まで打ち上げののち、眠る。
ぐっすり眠れるかと思ったのだが、案外昼過ぎには目が覚めてしまう。

仕事を何個か片付け、銀座で行われている写真展に向かう。
今月の半ばに【音楽と人】という雑誌の取材時に写真を撮ってくださった喜多村みかさんの写真展だ。

銀座の大通りから入ったちょっとした裏道にある、純喫茶にてそれは行なわれていた。

いつもこうやって出逢えた方の作品に触れれる機会を作って、肌で感じようと試みるが、いかんせん面倒臭がりの性分なものですぐに足を重くして、辿り着かないのだけれど。
今年のテーマは【生傷を絶やすな】なので、とことん様々なものに触れなければ!と、銀座まで何本かの路線を乗り換え行ってみた。

着くまでの間に書いたうたがすごく良くて、家に帰ったらコードに起こしてみようと思ったのだけれど、喜多村さんの写真を見てなんだかやめてしまった。

ぼくは、写真についての多くは語れないけれど、今まで見てきたほかの写真と決定的に違うのは、あちら側(写真そのもので見える世界)とこちら側(ぼくたちが今いる、その空間)とを繋ぐ風が目に見えるように吹いているということだった。

よく考えたらその写真に写っている場所や人をぼくたちは知らないけれど(まあ知ってる場所もあるけど)、確実にこの世界にその場所や人は存在してるんだよね。

小田ひで次が処女作「拡散」の中でぼくに伝えてくれた、「風に飛ばされ草に紛れ川に流されたりして、目でその存在を明確に判断できなくなった煙草の葉は、確かに自分のいる空間に存在しているのだ。」ということにとても似ている。

言葉で簡単に説明されても理解には苦しんでしまうが、風を吹かされてしまったら、もう無条件で感じてしまう。

うん。生きてる。って。

ここで、何作かの作品が見れます。
残念ながら、今日その写真展は終わっちゃいましたが。
体験してみてください。
http://www.mikakitamura.com/home.html

銀座に向かうまでに書いたうたは、ダメになってしまったけど、その後良い詩が書けた。
かわいい、うただ。

▼10/30
朝六時にメンバーと集まり、大阪へバンドワゴンで向かう。
我々の愛しいメンバーでもある、ディレクターの結婚式が行われたのだった。

こんな格好しています。
髪の毛ポマードでべたべた。


今は、その帰り道の新幹線。
明日は東京で取材なのでぼくだけ早めに帰宅。

あまり、細かく書いてしまうのもなんなんでもう少し、ある種、適当に書いてみる。

学んだことがいくつか。
人は愛されるために生まれたということ。
人は愛されたいと思わずとも、誰かに愛されているということ。
これは、家族の話ではない。
人は生きるということだけで、誰かにたっぷり愛されているんだということ。

きっとね、愛されない人は死んでしまうよ。
愛されてることに気づけないのは、さみしい。

戦争よりも、金や権力や音楽よりも。
やっぱり人と人が心を通い合わせ、言葉にしたり、態度にしたり、その時に生まれる「愛」っつーもののほうが、よっぽど強いのな。

おれ、正直驚いた。

一曲、THEラブ人間は歌いました。
【花嫁の翼】という、うた。
このうたは2009年1月に結成して、すぐ作ったうた。
そして、きっともう二度と、あの言葉では歌えないうた、なのです。

ぼくらの大好きなあのふたりの今日に突き刺さって、一生抜けませんように。
本当におめでとう!!

 


品川に着いた。
東京駅まで行こうかな。
実家に寄って、スーツを置いてからまた、今日と同じ日常へ。

特別なことなんて、ひとつもない狂おしいほど、くそったれな日常へ。

K.K