離れるな

ぼくの部屋は三年ほどエアコンが壊れていたので、真夏になるとものすごく蒸す。
うまく寝るまでに何時間もかかるし、暑さのせいで短い間隔で起きては寝ての繰り返し、朝になって起きる頃にはTシャツも下着も布団も汗でびしょびしょ。
新陳代謝が異常に悪いのでワンマンライブのステージの上でもほとんど汗をかかないぼくですが、この部屋では滝のように汗をかいてしまう。
そんな最悪な三年間だったわけです。

が、ついにエアコン購入。

さようなら脱水症状。
さようなら朦朧とする視界。
さようならオーバーヒートする寝起き。

脱水症状を起こして、自分の汗を舐めることで水分と塩分を摂取したあの朝をぼくは忘れない。

こんにちは快適な寝つき。
こんにちはスピーディーな目覚め。
こんにちは涼風。風向き。風量。除湿。空気清浄。


そんな今日は休日。
涼しくなった我が部屋の掃除をしました。
部屋の片付けは得意な方でして、恋人の部屋なんて汚いとすぐに片付けてしまいます。
不思議なのは自分の部屋はどうもする気にならないということ。

掃除あるあるのひとつだと思うのですが、卒業アルバムや昔の手紙なんて出てくると読み始めてしまって、まったく片付かないですよね。
ぼくは卒業アルバムなんて押入れの奥にあるし、昔の手紙なんてものはだいたい捨ててしまうので持ってないのですが、ご覧の通り本が異常な量あるのです。

しかも、これ氷山の一角。
この五倍くらいある。
さすがに本が入り切らなくなったので、売ってしまおうかと選別していたのですが、まあ無理。
どれもこれも思い出と愛情まみれの一冊。
捨てれるわけない、売れるわけない。
そして、溜まる一方なわけです。
しかも、懐かしい〜っつって読んじゃうからなかなか片付かない。
誕生日過ぎていうのもなんですが、ぼくに本棚をプレゼントしてくれたら助かります。


車輪の下」で有名なヘルマン・ヘッセの「春の嵐」。
中学二年の時に、担任の国語教師に勧められ読んだことを思い出します。
昼休み、学校の図書室で夢中になって読んだなあ。
あの日のお弁当のおかずすら思い出せます。


片付けを中途半端に終えて、祖母の家へ。
母と兄と姉と祖母で誕生日を祝ってくれました。
チキンカツとロールキャベツとポテトサラダとコーンスープとケーキ。
好物ばかりを集めてくれるのは、昔から変わらず。



兄夫婦からはトートバッグと煙草をいただく。
「天使の土地」とかかれているようです。
なんなんだ、それは。



相変わらず誕生日に酔っ払って朝まで踊ったり、恋人と高級ホテルのラウンジで素敵なディナーデートしたりだとか、そういうのとは無縁。
家族でゆっくり祝うような素朴な生活です。
ぼくは結構、気に入っています。

27才初日はメンバーにもらったニューエラに、どついたるねんTシャツ。
年々、若返っていってる気がします。
おかしいなあ。
もうちょっと渋く、かっちょいい、ロックシンガーになれたらいいのですが。
まあ、人には相応の持ち物がありますしね。
こんなんでも、やっぱり、結構、気に入ってるんだ。


K.K


【今日の新曲】


「離れるな」

ひとつになんてなれないってことくらい
とっくにもうわかってるよ
中学も出たし高校も出たし
四年制大学も出たしさあ

頭が悪いわけじゃない
勉強だって出来ないわけじゃない
けど馬鹿になってしまった
恋はいつもぼくを馬鹿にさせる

きみ以外の女の子は全員
空っぽで可愛くなくて
いくらがんばったとしても
愛したりなんかできないから

俺から離れるな
俺から離れるな
俺から離れるな
ひとつになれるから

ふたつの怒りをひとつにして
ふたつのよころびひとつにして
同じことで悩んだりして
同じ間隔で会いたくなって

そんなことは不可能だし
そんなこともう求めちゃいない
けど馬鹿になっちゃうとさ
口先だけで約束しちゃう

なあたぶん恋人だろ 俺たち
特別にきみのことは許してやる
心が離れたって構わないさ
他に行くとこなんてないだろ?

俺から離れるな
俺から離れるな
俺から離れるな
ひとつになれるから

俺から離れるな
俺から離れるな
俺から離れるな
いつかひとつになれるから