四月になれば - 金田康平のFUCK OUR DAYS

迷いと戸惑いを抱えたまんま生きるということが、もはや日常的なことなのだと、やっとこさ理解したように思う。
それはまったく不自然なことではないようだ。
迷うことはフライパンに油を薄くひくことであり、戸惑うことは洗濯物を種類別に干すことなのだ。

最近は例によって映画をひどく観ている。

カラックスの新作「ホーリー・モーターズ」は怪作。
劇場でやっているうちにみんなに観て欲しい。
この監督は「穏やかになる」ということを知らない。

カサヴェテスの「グロリア」も久しぶりに観たが、内容よりもジーナ・ローランズが煙草を吸うシーンと、時たまかけるサングラスがとても絵的に格好良かった。
キネマ大森で明日まで「こわれゆく女」と「ラヴ・ストリームス」が二本立てでやってるようなので、行くか迷う。
彼の映画を一日で二本観るのは厳しい。過酷だ。

黒猫チェルシー大知の家でちょっとだけ観た「竜二」が気になっている。
日本映画最近観ていない。
家でひとりで観たいので、買わなくちゃ。

日本の監督で最近すごく好きになってしまった濱口竜介の「パッション」をDVDで観たい。
たくさんの人に囲まれた映画館で、あの親密さを得られたのなら、ひとりで部屋で観たらどんなことになるのだろう。
そういえば「親密さ」という映画もあるらしい。

他にも偶然見合わせた「エイリアンバスターズ」というアメリカのB級映画で笑ったり、「さあ帰ろう、ペダルをこいで」というブルガリアの映画を観たりもした。

あ、我々のPV監督番場さんとの対談もアップされていたのでURLを貼っておきます。

「white screen〜金田康平×番場秀一監督〜」
http://dlvr.it/3H0ysn

番場さんが撮る映画なら是非出演してみたいものだな、と思った。
演じる仕事は断ってきたし、やれる自信もないのだけれど、彼のカメラの前なら頑張れる気がする。

他にも村上春樹の新作(あ、OTONARIという雑誌で村上春樹についての取材もやりました。)を一瞬で読み終えたり、近田春夫の「考えるヒット」を笑いながら読み耽ったり、eastern youth吉野さんのソロライブを観に行き、二年ぶりにお話させてもらったり(長い話になるから、ここでは書かないけど、とりあえずこれを見て欲しい。 https://mobile.twitter.com/rina_hidaka/status/322978562728665088 そんで、(俺の知ってる限りは)吉野さんと俺はこれを日本人全員の総意であるということを認めないし、許さないし、見逃さない。俺が俺らしく生きるということを、俺は他の誰かに算段づけられたり否定されたくない。)、いきなりTHA BLUE HERBのライブに行ったり、作れない油そばを無理矢理作ったり。

つまりは、インプットまみれの毎日を送っておるといことです。
もうすぐツアーも始まるから、大胆に自分が更新されていけばいいな。
俺らしい俺なんてのは、結局どこにもないわけ。
目の前の「今、今、今」が俺よ。

tokyofmレディオドラゴン内で一ヶ月間レギュラーをつとめていた「マンスリードラゴン」が今日最終回でした。
最後は生放送。
一ヶ月間かけてゆっくり作ったこの歌詞と、この曲が俺の今なわけ。
超スーパーウルトラかわいい菅野結以が、この曲で泣いてしまって、俺はなんも言えなかったな。
歌を聴いて泣いてしまうこと、俺にもたくさんあるけれど、泣かれてしまったときに俺はどんな顔しているのかってことだけは、今でもわからん。
ただそんな時いつも、心の中は強く熱く、静かだ。

ひとり歩く。タフにならなきゃ。

K.K

【今日の新曲】

「四月になれば」

最後に言われた言葉を
牛のように反芻してるだけ
お前はドアの鍵を閉めて
誰もその部屋に入れさせやしない

どうせひとりきりなのだから
泣けるだけ泣いてしまえ
記憶にあぐらをかきながら
枯れるまで泣いてしまえ

その涙はいつでもお前の恋人さ
慰め、抱きしめてくれるだろうけど

そんなんじゃいつまでたっても
ここで死ぬのを待っているだけだろう？
冷たい部屋でひとりきり
別れを受け止めろ
きみはずっといないのだろう
きみはきっといないのだろう
四月になれば会わなくなるんだろう

思い出は片翼の鳥
思うように飛べない鳥
記憶の中の風景は
いつの日も美しい森

きみを強くしてくれるもの
そんなものはひとつもないよ
ひとつだけあるとしたら
静かに息をする、その悲しみだ

その涙はいつでもお前の恋人さ
抱き寄せ、くちづけしてくれるだろうけど

ここで死ぬのを待っているだけじゃないか？
冷たい部屋でひとりきり
別れを受け止めろ
お前が嫌いだったよ
本当に嫌いだったよ
会わなくなるな
四月になれば

もっと高く飛びたいなら
別れを受け止めろ