summer lesson

メモ

歌は風。
だからどこにでも吹く。
右と左を繋げる、ではなく、右と左の上に吹く。
上と下をひっくりかえす、のではなく、上と下の周りを吹く。
思想と思想の上を、吹く。
だから、歌はどこに居座りもしない。
なんとかしてやろうなんて、思わないように。


存在の軽さ。
デビューしたてのインタビュー記事を読むと、顔が真っ赤になるほどビッグマウスだった。
自信がない自分をひた隠しにするために、虚勢を張る姿は見ていてキツイ。
いつか可愛い時期もあったものだな、と思えたらいいもんだけれど、それにしても、自分に自信がない。
大爆音でそれを隠したり、誤魔化しているのかな。それとも、本当は自分にすごく自信があるのかな。
自分のことなんて、自分じゃよく分からないよ。

歌えなくなったらどうしよう
曲が書けなくなったらどうしよう
歌いたいことがなくなったらどうしよう
なにをしようかな
一生懸命やれることが、音楽しかないなんて

続 存在の軽さ。
死にたいって言われるのは、悲しいな。
もしそれが嫌いなやつから言われたって、悲しいな
でもなんで悲しいんだろう
大好きな友達に俺はあの時なんて言えばよかったんだろう
俺もそうだよ、なんて、そんな言葉じゃなかったはずだよね
荷物が多すぎるけど、その荷物を降ろした時に残る、服を脱ぎ捨てた後に残る、体重と存在の軽さに驚いている。

ロック。
いろんなライブを見過ぎてもうなにがなんだかわからなくなってきた。
ロックとは〜、と言っていて、余計わからなくなった。
酒も煙草もロックもセックスもやめたい。

授業参観の時にしかつけない母の綺麗な首飾り。
押入れの高い段にしまってあるその首飾りを、誰もいない隙に黙って着けてみようと思った女の子。
爪先立ちでめいっぱい背伸びをして取ろうとするその姿。
届くはずもないのに、夢中で必死に手を伸ばす。
ぼくにとってのロックが、そういうことなんだってのはわかっているんだけど。
まだ、怖い。

K.K